空き巣猫VS負け犬の遠吠え

 散歩から、帰って夕食を食べていると。突然、ロッキーがほえ始めた。
吠えること事態は珍しくない。無駄吠えは、ロッキーの唯一の特技と言っても過言ではない。
目覚ましが、なくとも必ずこれで目がさめる。まぁ、かなり近所迷惑な話だが・・・

 しかし、その時の鳴きかたはいつもと違った。(吠えるというより、うなるの方が適切かもしれない)
夕食を中断して、僕は、いそいそと外にでた。薄暗くて、すぐには状況が把握できなかった。
かろうじて見えたのは、ロッキーが体勢を低くして「何か」を威嚇している後ろ姿だけだった。

 僕は、色々と考えを巡らす『一番ありそうなのは、野良猫がその他の野生動物が庭に侵入した、毒蛇だったら大変だ』(蛇は結構、家の周りに生息している)『もしかしたら、幽霊かもテレビで犬はそう言うものを感知できるといっていたし・・・』

 僕が、毒蛇と幽霊を天秤にかけている最中に、事態は動いた。小さい物体がロッキーの小屋の中で動いたのだ。
ロッキーが、さらに低く唸る。また、物体が動く。ロッキーが一歩後退して、吠える。それを数回繰り返した後、ロッキーが視線を僕に向けてきた。その瞳が何を訴えているのかすぐ合点がいった。要は、飼い主に(僕に)飼い犬(ロッキー)は似ているのだ。

 今にも泣き出しそうな僕とそれにすがろうとするロッキー、出口の見えない迷路に迷い込んだ僕らの運命は・・・

「あの、すみません」どこからともなく、か細い女性の声がした。
急に、背中に悪寒が走った。幽霊・・・三日前に観たホラー映画のシーンが頭を過ぎる。ロッキーは声のするほうへ、疾走する。
怖いもの見たさで、僕もその後に続く。

 そこにいたのは、弟だった。
 「なぁ、子猫見なかった?」
 「猫?そんなの知らないよ。それより、幽霊の声が・・・」
 言い終わる前に、弟に口を塞がれた。
 「失礼だろう」
 そういって、弟は玄関の方を指差す。
 「あの人だれ?」生きている人間に間違いはないものの、顔は青白かった。
 「飼い猫がいなくなって探してるんだと」
 『もしかして、小屋にいた・・・』

  僕は、ロッキーの小屋に侵入する。奥のほうに毛玉が丸まっている。触ろうとした瞬間、子猫が牙を向く。慌てて、手を引っ込める。
 結局、猫の飼い主が小屋から引っ張り出して、帰っていった。
「ロッキー、結構小心者だなぁ」僕は、ロッキーの背中を軽く叩く。ロッキーは、鼻をしばらくヒクヒクさせてから小屋に入った。
 『優しいのかなぁ・・・』画像
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