白と黒ーカラオケの激突

家の愛犬ロッキーは、番犬としてのスキルが高いんです。

車の音を聞くと吠えまくる。まぁ、実際エサをもらうとだれにでも、尻尾をふるのでやくには立ちませんが。

平日の昼下がり、庭に侵入してきた不審者に吠えるロッキー。
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不審者の手には、大好物のクッキーがそれを目にしたとたん、お座り、お手、一連の動作をすばやくこなす。

『やった』エサを無防備に食べるロッキー。

不審者はバケツを頭にかぶって、何やら歌い始める。


その日の僕は、朝から緊張していた。約束の時間まで後数時間しかない。
限られた時間でできること。あれ、しかない。あれにはバケツが必要だ。バケツ、バケツ家の中にはない。
そして、僕が目をつけたのは犬小屋だった。
「ロッキー、バケツ借りるよ」

待ち合わせ場所、カラオケ。メンバーは五人その中で一番、僕は音痴。
一番歌唱力が高い、白くんは普段はおとなしいのだがカラオケにくると豹変する。自分にも他人にも厳しくなるのだ。
『練習もしてきたし、大丈夫』
練習の成果を見せようと、曲を入れる。
採点結果は、15030
微妙、上手いのか下手なのかわからない。

白くんが歌う。
63250点
『あぁ、僕はダメな人間だ』落ち込んでいる僕の隣で虎視眈々とトップを狙う、黒君(白くんとは正反対で、肌が黒い)
終盤戦に突入しても順位は変動しない。
黒君は、最後の賭けにでる。
「なぁ、同じ曲で勝負しよう」
そうして、入力された曲は「国歌」(国家は、短いため勝敗が早く決まる)

「次は、負けないからな」
白くんと黒君の友情が、深まる一方で8時間も肩身の狭い思いをしてきた僕は、すっかり疲弊していた。
『また、ロッキーにバケツ借りよう』



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